参道掲示板に十二月の「ことば」を掲示しました。参拝の折にご覧ください。画像は、yahooとgoogleで公開しております。「田辺市␣願成寺」と検索して頂くと、トップに表示されますので、是非ご覧ください。
十二月のことば 「渋柿は 寒風にさらされ 甘くなる」
早いものでもう師走ですね。あっという間に、お正月の準備をする季節になりましたね。お正月の飾りつけといえば鏡餅ですが、鏡餅と一緒に飾る干し柿、これは本当に甘くて濃厚な味ですよね。でもこれ、元は渋柿ですよね。皮を剥いて寒風にさらすことで、渋味が抜けて甘くなる。どうして甘くなるのか?化学的には「タンニンの成分が…」とややこしいのですが、要は寒風という過酷な環境にさらすことで、渋味が抜け甘くなるということらしいです。過酷な環境で甘くなる。少し不思議ですよね。だって、過酷な環境にさらされると、腐ったり、場合によってはもっと渋くなったり苦くなったりしそうですが、甘くなるというのです。不思議であると同時に、少しうらやましい気がします。
私たち人間の場合は、生まれ持っての性格もありますが、長所(甘味)、短所(渋味・苦味)を両方抱えて生きていきます。色々な人と出会い、様々な経験をすることで、長所を伸ばし短所をなくしていく、これが理想ですがなかなか難しいですよね。特に困難に直面した時は、短所が前面に出やすいですよね。そして、厳しい状況が続くとふて腐れたり、やる気をなくしたりすることも…。過酷な環境の中でも、ただ苦しむのではなく、その経験を自分自身の糧に変えていきたいですよね。渋柿が寒風にさらされ甘くなるように。
今の自分は、人との出会いや経験から、どこまで渋味が抜け甘くなっているのか?ふと気になってしまいます。甘くなるどころか、渋味・苦味が増すことのないように、人との出会い、経験から成長していきたいものです。目指せ、渋柿!