参道掲示板に十二月の「ことば」を掲示しました。参拝の折にご覧ください。画像は、yahooとgoogleで公開しております。それぞれ、「田辺市␣願成寺␣ロコ」「田辺市␣願成寺」と検索して頂くと、トップに表示されますので、是非ご覧ください。
十二月のことば 「心の垢も キレイにね」
早いもので、もう師走になりましたね。気温も下がり、いよいよ冬本番という感じですね。私事ですが、寒くなると毎年思い出すことがあります。それは、修業時代の本山での水行(すいぎょう)です。気温が氷点下に近い早朝五時に始まり、一日三度水を頭からかぶります。今でもたまに夢に見るくらいなので、よほどのトラウマ?なのでしょうか・・・。
それはさておき、水行の時に唱えるお経の一節に「心身無垢(しんじんむく)内外清浄(ないげしょうじょう)」という言葉があります。文字通り、水をかぶることにより「身も心も垢が無くなれ、体の内(心)も外(身)も清らかであれ」と願うわけです。宗派を問わず、仏教系では割と修業期間に水行を行うことが多いのですが、なぜだと思いますか?気合を入れるためですか?実は、他に理由があるのです。
僧侶の修業期間というのは、「教え」を授かる期間でもあるのですが、それと水行がどう関係するかというと、「教え」を授かる前にまず「器(うつわ)」をキレイにしなさいというわけです。「教え」を水に例えて、清らかな水も、その水を入れる容器が汚れていては結局は水が濁ってしまう。だからまず、水行で身も心も清めなさい。そうでなければ、「教え」が正しく浸透しない、こういう理屈です。
皆さんは僧侶ではないので、上記の理屈は直接的には生活に関係ないと思いますし、ましてや水行の必要もありませんが、考え方の部分で少しだけ日常生活でも役に立つのではないかなと思います。
日常生活を送っていれば、少しくらい嫌なことや悲しいこともありますよね。場合によっては、どうしても引きずってしまうことも・・・。引きずってしまうと、その後の楽しい出来事が純粋に楽しめない、だからますますネガティブな方向に・・・悪循環がおこります。どこかでリセットが必要なのだと思います。
年末というのは、この心のリセットに最適な時期かもしれませんね。大掃除をして家をキレイにするように、一年の間にたまった垢(ネガティブな感情)をキレイに洗い流し、新しく来る年に起こるであろう良いことを純粋に楽しめる、心をそういう状態にリセットしたいですね。
「憂きことも去年になり行く懐かしや」
そんな気持ちで新し年を迎えたいものです。