2024年3月の参道掲示板

参道掲示板に三月の「ことば」を掲示しました。参拝の折にご覧ください。画像は、yahooとgoogleで公開しております。それぞれ、「田辺市␣願成寺␣ロコ」「田辺市␣願成寺」と検索して頂くと、トップに表示されますので、是非ご覧ください。

 三月のことば 「百花百色 比べるな 百通りの良さがある」

 少しづつ暖かくなってきました。三月、四季の上では春になりました。皆さんは春といえばどういうイメージをお持ちですか?「別れの季節」「出会いの季節」「恋の季節」「花粉症」・・・等々、皆さんそれぞれにイメージをお持ちと思います。こういうことを言うと、ひねくれた奴と思われるかもしれませんが、私の春のイメージは「人と比べてしまう季節」です。

この時期は、進学に就職、人事異動にと色々な意味で周囲が騒がしいですね。「○○君はどこそこの大学に・・・」「○○さんが部長に・・・」と、こういう具合です。私は昔からそういうことを耳にするたび、「どうでもええわ」と思っておりましたが、どうやら世間では「どうでもよくない」人も多いようです。でもね、自分のことなら勝手に誰かと比べて勝手に劣等感を感じても「好きにしてください」という感じですが、自分の子どもや孫を勝手によその子と比べてどうこう言う風潮は、私は正直嫌いです。

 当たり前のことですが、人にはそれぞれ良いところがあります。その良さというのは、学力でいう偏差値のように簡単に人と比べられるものだけではありません。「やさしさ」「おもいやり」「気遣い」こういうものは数値化が難しいので、人と比べてどうこう言うことが少ないですが、とっても大切なものだと思います。誰かと比べて上下がつくものだけが価値のあるものではないのです。

「比べて得る幸せは、比べて失う幸せでもある」

どうしても周囲と比べて「どうせ私なんか・・・」と思いがちな季節ですが、比べることにどれほどの意味があるのでしょうか。野の花々を見てください。隣の花と比べて、しょぼくれて咲いている花がありますか?どの花も自分の色で、自分の花びらの大きさで誇らしく咲いていませんか。人にはそれぞれ唯一無二の良さがあります。野の花のように、「自分らしく精一杯」、そうありたいものです。

2024年2月の参道掲示板

参道掲示板に二月の「ことば」を掲示しました。参拝の折にご覧ください。画像は、yahooとgoogleで公開しております。それぞれ、「田辺市␣願成寺␣ロコ」「田辺市␣願成寺」と検索して頂くと、トップに表示されますので、是非ご覧ください。

 二月のことば 「言うこと と すること 同じがいいね」

 今月は自戒の念をこめて。先日、とある病院の待合室で二人の女性がお話されていました。別に聞き耳を立てたわけではないのですが、聞こえてきたのです。

女性曰く「長い間、接客業していると少し話しただけで相手の職業がわかるわ」とのこと。その後、具体的に○○業の方の特徴は・・・、という話をされていたのですが、話の最後のほうで、「先生といわれる職業の人の特徴は、言うこととすることが違う。理屈ばっかりで、自分で行動しない人が多い」と言われてました。当然、なんの根拠もない、その女性の独断と偏見によるただの雑談といえばそれまでですが、正直「ドキッ」としました。

 我々僧侶といわれる者も「先生」と呼ばれることが多々あります。実際、説法や法話といわれるものでは、仏教の話を説く、つまり人に何かを教えるという教師に近いこともします。問題は、仏教を人に教える立場にある我々は、どこまで仏教の精神に基づいて行動ができているかということです。

「知行合一」という言葉があります。知識と行動は同じでなければ意味がない、つまり本当の知識とは行動によって裏付けられたものであるという考え方です。

 自分も含め、我々僧侶は「頭でっかち」かもしれませんね。仏教の知識はあっても、仏教の精神をどこまで行動で示せているか・・・。まずは身近なことから、「偉そうにしない」とか「人に親切に接する」とか、そういうことから行動で示していこうと思った次第です。

2024年1月の参道掲示板

 参道掲示板に一月の「ことば」を掲示しました。参拝の折にご覧ください。画像は、yahooとgoogleで公開しております。それぞれ、「田辺市␣願成寺␣ロコ」「田辺市␣願成寺」と検索して頂くと、トップに表示されますので、是非ご覧ください。

 一月のことば 「あとではないよ 今やろう」

 新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。また、本年も月一回の更新を目標に参道掲示板を作成しますので、どうぞご覧下さい。

 新しい年を迎え、心新たに何かを始めようと思っている人も多いかと思います。「とりあえず三が日が済んでから始めよう」と思っておりませんか。これは私の場合ですが、「三が日が済んでから・・・」と思っていると、4日には「七草がゆを食べてから・・・」、さらには「十五日のどんど焼きまでは正月だ・・・」と続き、ついに16日には「もう今更なあ・・・」となり、やらない。これが、わたしの「やらないパターン」ですね。

 やるなら「今」が基本なのでしょうが、なかなか最初の一歩が重い・・・。そういう方におすすめなのが、「目標を低めに設定」です。「正月早々、志が低い」とお叱りを受けそうですが、高い目標を設定して始めない、続けないよりは、手軽な目標を着実にクリアしていく方が目標達成の近道だと思いますよ。

 目標なんて、ガチガチに考えなくても途中で変更してもいいのですよ。大事なのは、まずはやってみること。その過程で軌道修正するのは何も問題ないと思いますよ。時代の変化が非常に激しい昨今です。自分の目標も、状況に合わせて柔軟に変化させていける、そんな「ゆるい目標設定」もいいと思いますよ。

2023年12月の参道掲示板

 参道掲示板に十二月の「ことば」を掲示しました。参拝の折にご覧ください。画像は、yahooとgoogleで公開しております。それぞれ、「田辺市␣願成寺␣ロコ」「田辺市␣願成寺」と検索して頂くと、トップに表示されますので、是非ご覧ください。

 十二月のことば 「心の垢も キレイにね」

 早いもので、もう師走になりましたね。気温も下がり、いよいよ冬本番という感じですね。私事ですが、寒くなると毎年思い出すことがあります。それは、修業時代の本山での水行(すいぎょう)です。気温が氷点下に近い早朝五時に始まり、一日三度水を頭からかぶります。今でもたまに夢に見るくらいなので、よほどのトラウマ?なのでしょうか・・・。

 それはさておき、水行の時に唱えるお経の一節に「心身無垢(しんじんむく)内外清浄(ないげしょうじょう)」という言葉があります。文字通り、水をかぶることにより「身も心も垢が無くなれ、体の内(心)も外(身)も清らかであれ」と願うわけです。宗派を問わず、仏教系では割と修業期間に水行を行うことが多いのですが、なぜだと思いますか?気合を入れるためですか?実は、他に理由があるのです。

僧侶の修業期間というのは、「教え」を授かる期間でもあるのですが、それと水行がどう関係するかというと、「教え」を授かる前にまず「器(うつわ)」をキレイにしなさいというわけです。「教え」を水に例えて、清らかな水も、その水を入れる容器が汚れていては結局は水が濁ってしまう。だからまず、水行で身も心も清めなさい。そうでなければ、「教え」が正しく浸透しない、こういう理屈です。

 皆さんは僧侶ではないので、上記の理屈は直接的には生活に関係ないと思いますし、ましてや水行の必要もありませんが、考え方の部分で少しだけ日常生活でも役に立つのではないかなと思います。

日常生活を送っていれば、少しくらい嫌なことや悲しいこともありますよね。場合によっては、どうしても引きずってしまうことも・・・。引きずってしまうと、その後の楽しい出来事が純粋に楽しめない、だからますますネガティブな方向に・・・悪循環がおこります。どこかでリセットが必要なのだと思います。

 年末というのは、この心のリセットに最適な時期かもしれませんね。大掃除をして家をキレイにするように、一年の間にたまった垢(ネガティブな感情)をキレイに洗い流し、新しく来る年に起こるであろう良いことを純粋に楽しめる、心をそういう状態にリセットしたいですね。

「憂きことも去年になり行く懐かしや」

そんな気持ちで新し年を迎えたいものです。

2023年11月の参道掲示板

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 十一月のことば 「霜を経て より鮮やかに」

 厳しい残暑が終わり、一気に秋らしくなってきましたね。特に昼夜の寒暖差が激しくなってきた今日この頃ですが、皆さんは体調を崩されておりませんか?

この昼夜の寒暖差は、人間にとっては体調不良の要因にもなりますが、きれいな紅葉には欠かせない条件のようですね。霜が降りるくらいの冷え込みが、鮮やかな紅葉を生み出すのです。厳しい環境にさらされると一気に枯れてしまいそうなものですが、より鮮やかに色づく、自然は素敵な変化を見せてくれますね。

 私たち人間も、厳しい状況を経て、ふて腐れることなく、より人間味を増していきたいものですね。これがなかなか難しいのですが、少なくとも厳しい状況に置かれると、その後、同じ状況の人の気持ちはわかりますよね。

 世の中には色々な立場、状況の人がいます。少しでも多くの人の気持ちがわかるというのは、心が鮮やかなんだと思います。色々なことを経験し、それが厳しい経験だったとしても、その経験を鮮やかな心に変えていければいいですね。

 

2023年10月の参道掲示板

 参道掲示板に十月の「ことば」を掲示しました。参拝の折にご覧ください。画像は、yahooとgoogleで公開しております。それぞれ、「田辺市␣願成寺␣ロコ」「田辺市␣願成寺」と検索して頂くと、トップに表示されますので、是非ご覧ください。

 十月のことば 「そっと 見守って くれている」

 先日は本年の中秋の名月でしたね。天気も良かったので、月見をされた方も多かったのではと思います。中秋の名月のように話題にあがれば月を見ますが、皆さんは普段の生活で月をよく見ますか?質問のしかたを変えると、普段の何気ない日に「昨日、月夜だった?」と聞かれて自信をもって答えられますか?

 太陽の光は強いので、家の中にいても晴れか曇りかはわかりやすいですよね。月のひかりはやさしいので、こちらから見ようとしないとなかなか気づかないものですよね。仏教の世界ではよく、この月の光を仏の慈悲に例えます。

 我々は常に仏の慈悲に包まれているのだが、それに気づくか否かはその人次第というわけです。「仏の慈悲」といわれると難しいですが、もっと身近なところでは、例えば一人暮らしの子供のことを思う親であったり、遠く離れた所にいる大事な人を想ったり…、我々は常に誰かに想われている存在なのかもしれませんね。

自分が気づかない所で、自分のことを思ってくれている誰かがいるかも、そう考えると少しだけ心強くないですか?

あなたのことを、「そっと見守ってくれている」そういう存在はきっとありますよ。

2023年9月の参道掲示板

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九月のことば 「あるがまま ないもまま 足るを知る」

 いつまでも暑いですが、夏休みも終わり、仕事に学校に忙しくなりますね。皆さんは夏休みは十分にリフレッシュできましたか?「いやいや、休みが全然足りない」という声が聞こえてきそうですが…。

 個人的には、心のリフレッシュに休暇の長さは関係ないと思っております。本人が満足すれば、「自分にはこれで十分だ」と思えればよいのですから。欲をいえばきりがないですし、ないものねだりをしても何も変わらないですしね。

今の自分のおかれた状況で、あるがままに、なければないなりに、「まあ、こんなものだろう」「それなりに満足だよ」と思えることが大事なのですよ。

「足(た)るを知る」という生き方、幸せに生きるためのヒントになるかもしれませんね。

お盆 臨時駐車場の案内

 盆期間中(8/11~8/15)に限り、臨時駐車場を2か所借りましたので、ご参拝の際はご利用ください。

・臨時駐車場1(目良組駐車場、一番奥) 住所:田辺市古尾7  *手前は月極駐車場ですので、一番奥の「願成寺臨時」とプレートのある区画に駐車お願いします。

・臨時駐車場2(丸惣商店従業員駐車場) 住所:田辺市古尾10

盆期間中は駐車場が大変混雑しますので、臨時駐車場の利用をご検討お願いします。

2023年8月の参道掲示板

 参道掲示板に八月の「ことば」を掲示しました。参拝の折にご覧ください。画像は、yahooとgoogleで公開しております。それぞれ、「田辺市␣願成寺␣ロコ」「田辺市␣願成寺」と検索して頂くと、トップに表示されますので、是非ご覧ください。

八月のことば 「諸行無常 ずっとはないよ だから 今を大切に」

 今年も夏本番ですね。当地域も多くの観光客の方々でにぎわっております。特に今年は、外国からの観光客をよく見かけますね。当地域の場合、この外国からの観光客のお目当ては「熊野古道」のようです。どうやら、外国の方々にとって熊野古道というのは「日本的な美」が凝縮された場所のようです。

ところで、「日本的な美」とは何なのでしょうね?よく言われるのは「わび・さび」ですが、説明しろと言われると困りますね。私は、この「わび・さび」の根底にあるのは、ある種の無常観(ずっとは続かないという考え方)だと思っております。つまり、人生の儚さを感じるような自然こそが美しいというのが、「日本的な美」の正体なのではないでしょうか。

 一年中咲く桜、一日中燃える線香花火、もしこんなものがあったら美しいでしょうか?う~ん、微妙ですね…。無常だからこそ、儚いからこそ美しいと思うのは自然なことかもしれませんね。

 仏教でいう諸行無常は、虚しさを説いているのではなく、今この瞬間の美しさを説いていると考えることができるかもしれません。無常さを受け入れた上で、今この瞬間を大切に生きていく。これこそが、諸行無常の生き方ですね。